なぜ父親が親権者となるのは不利なのか?父親が親権を獲得するためのポイント

子どもの親権を取りたい父親にとって何より心配なのは、母親を有利とする裁判所の傾向でしょう。確かに父親が不利とされるのは事実ですが、父親の方が適格だと考えられる状況が揃っていれば、親権者として認められることも十分にあり得ます。ここでは母親が有利とされる根拠を踏まえ、父親から主張すべきポイントを紹介します。

裁判所が親権者を決める基準

離婚調停や離婚裁判では、裁判所はどちらの親と生活する方が子どもにとって有益か、という基準で親権者を決定します。親権を取りたいと希望する親は、ただなりたいと思うだけではなく、離婚後の子どもの生活を充実させられることを裁判所に示さなければなりません。

父親が不利とされる原因

親権争いで父親が不利になるのは、以下のような点に代表されます。

  • 裁判所は子どもの養育について母性を重視する(特に幼児に対して)
  • 父親は日中は仕事をしていて、子どもを世話できないことが多い

子育ては長期にわたり苦労の絶えない役割で、ときには投げ出したくなることもあるでしょう。母性が強いほど、また一緒に暮らし世話をしている時間が長いほど、愛情を持って我慢強く子育てができると考えられるため、このような視点が重視されるのです。

この点を果たせることを示すことで、父親でも親権者として認められる可能性は十分にあります。

これまでの監護実績が重要

愛情深く子を育てられることを示すには、単に愛情があることを主張するだけでは足りません。これまでの監護実績が何よりも重要になります。

  • 平日も早く帰宅し、父親が子育てに大きく貢献している
  • 土日は必ず父親が子育てをしている
  • おむつの交換から食事の世話、入浴や着替えまで一通りの世話をしている

こうした実績があり、長期間子育てに貢献していると、愛情を持って育てられると認められる可能性は高まります。しかし、母親もしっかりと子育てをしている場合には、母性が優先される可能性は依然として高く、他の要素も加味しなければならないでしょう。

親族の監護実績と将来の環境

共働きの夫婦では、子どもの祖父母とともに暮らしている場合も多いでしょう。もし父方の祖父母と暮らし、昼間は祖父母が面倒を見ているような場合には、離婚後も子育ての環境が大きく変わらないため、親権者の判断に有利に働きます。

また、現在は同居していない場合には、少なくとも離婚後すぐに同居できる準備ができていることが最低限必要です。平日の勤務時間に親族が世話をできる状況でないと、監護能力の面では不利となるでしょう。

母親との別居

離婚に至る過程で妻が家を出ていき、父親と子どもとで生活するようなケースも少なくありません。別居している場合には、子どもと生活している親の方が親権者にふさわしいと判断されることが多くあります。特に別居期間が長ければ、その傾向は強いと言えるでしょう。

一方で、子どもと離れて暮らす父親は大きく不利な状況にあります。もし妻が勝手に子ども連れ出してしまった場合には、早急に引き渡しを要求した方がよいでしょう。

最終的には総合的な事情が判断される

父親が親権を取るためには、監護実績が何よりも重要ですが、しっかりとした実績があっても、やっと母親と同じスタートラインに立っただけ、という場合も少なくありません。監護実績以外にも、以下のような判断基準があるため、当てはまる点があれば主張しましょう。

子どもが母親より父親との生活を望んでいる

子どもが15歳以上であれば、裁判所は子どもの意向を確認する必要があります。15歳未満でも、小学校高学年前後まで成長し、判断能力があると認められれば、どちらの親と暮らしたいか、子どもの意見が重視されるようになります。子どもが父親と生活したいと話せば、父親にとっては有利な材料となります。

転居や転校が生じない

親権者を選ぶ上で重要な考え方に「現状維持の原則」があります。生活環境の変化は子どもの成長に大きな影響を与えます。転校先の学校にうまく馴染めるとは限らず、仲の良い友達と離れるのは辛いことでしょう。父親が現在の住居にとどまり、母親が転居する場合には、父親に有利に働きます。

母親の監護能力に問題がある

母親に、子どもへの暴力、浪費癖などといった人格上の問題や、持病などの健康上の問題があり、それらが子育ての障害になると認められれば、父親が親権者として認められやすくなります。

ただし、単なる悪口となってしまってはとかえって心象を悪くします。母親の問題点を挙げる際には、本当に子育ての障害になる重大なことなのかを考え、慎重に主張しましょう。

親権以外にも親に認められる権利がある

調停や審判の結果、親権を母親に与えるほうがふさわしいと判断されることもあります。そのような場合でも、父親には親として子どもの成長を見守りたいという気持ちを果たせるよう、「面会交流権」が認められます。

面会の頻度や時間、母親や子どもとの連絡手段などを確認し、トラブルなく面会を行えるようにしましょう。面会交流について詳しくは「離婚後子どもに会いたいと思ったら – 面会交流で決めるべき内容と調停の流れ」をご覧ください。

離婚後も子どもと生活を続け、健やかに成長させていきたいのであれば、まずは親権者に適格であると認められるよう、体制を整えていきましょう。妻側も親権を取りたいと強く考えている場合には、話し合いは難航し、父親が親権を取ることは難しくなっていきます。子どものためにも、父親であるあなたが親権を取った方が良いと思ったら、早めに弁護士に相談し、適切な主張ができるように備えましょう。

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